宮崎駿監督作品の中で最も有名な作品と言えば、何を思い浮かべるでしょうか。
たくさんの素晴らしい作品を世に送り出している宮崎監督ですが、「風の谷のナウシカ」はその筆頭にあげられる作品だと思います。
原作は1982年に連載開始、映画は1984年公開の古い作品であるにもかかわらず、2019年には歌舞伎化もされ、話題になりました。
宮崎駿監督と言えばスタジオジブリという印象が強いと思いますが、実は「風の谷のナウシカ」はジブリ以前の作品となります。
そして、原作は宮崎監督自身による漫画「風の谷のナウシカ」でした。
今回は「風の谷のナウシカ」の、原作漫画とアニメの違いをネタバレを交えて調べてみたいと思います。
「風の谷のナウシカ」について
映画「風の谷のナウシカ」の原作は宮崎駿さんにより、徳間書店「アニメージュ」にて1982年より連載を開始した漫画です。
日本漫画家協会賞大賞などを受賞し、全7巻の単行本の発行部数は累計1,200万部を超えています。
映画は原作漫画全7巻の内、2巻目の途中までが描かれる形となっており、物語としては序盤の話が映画化されました。
舞台は「火の七日間」と呼ばれる戦争から千年後、高度産業文明が崩壊した後の世界。
そこは腐海(ふかい)と呼ばれる菌類の森は猛毒を放ち、王蟲(オウム)などの巨大な虫たちが住み着いていました。
ナウシカは辺境の「風の谷」の族長の娘であり、人々から敬愛される優しい少女でした。
平和に暮らしていたナウシカ達は、トルメキアという王国と関わったことから、争乱に巻き込まれていくことに。
映画版では、二時間という枠に収めるため、原作とは異なる展開となっています。
制作はトップクラフトですが、アニメージュの鈴木敏夫さん、プロデューサーに高畑勲さん、音楽に久石譲さんと、スタジオジブリ作品ではおなじみの名前が並ぶ作品となりました。
「風の谷のナウシカ」の原作と漫画とアニメの違いとは?
「風の谷のナウシカ」の原作漫画は全7巻です。
映画化されたのはその序盤2巻途中までの話をまとめ、脚色したものとなります。
映画作成により、連載も中断されており、その後連載が再開されました。
そのため、原作漫画とアニメには相違点が多くあるようです。ネタバレも交え、相違点をあげてみました。
土鬼(ドルク)の有無
原作では存在する土鬼という国が映画では出てきません。
原作では土鬼とトルメキアの戦争にナウシカたちも巻き込まれていくという話でした。
トルメキアのクシャナ
原作漫画ではトルメキアという王国の皇女として、悲しい過去や部下に支持される姿が描かれています。
映画版ではトルメキア帝国という軍事国家として描かれ、司令官であるクシャナは冷酷な悪役として描かれていました。
腐海の説明
映画で汚染された大地にあらわれた有毒の菌類の森は、大地を浄化するために自然発生したものであるという仮説が説明されています。
原作では、実は腐海は人工的に作り出された大地の浄化装置であると明かされました。
王蟲の暴走
王蟲の幼生を傷つけ、囮にし、王蟲の群れを暴走させるという作戦は原作、映画ともにあります。
作戦を決行したのが、原作では土鬼軍、映画版ではペジテの残党となっています。
映画版に土鬼軍は登場せず、ペジテ市は原作・映画版ともにトルメキア軍により侵攻されました。
ラストシーン
映画では、王蟲の暴走のエピソードまでが描かれました。
映画版の最後は「風の谷」に向かう王蟲の大群を止めるため、ナウシカが王蟲の群れの前に立ちふさがります。
しかし、群れは止まらず、ナウシカの姿は王蟲の群れの中に消えてしまいました。
ナウシカは王蟲たちの金色の触手により、持ち上げられ、その治癒能力で生き返るのでした。
そして、風の谷に平和が戻るというラストです。
原作の最後は全く違う終わり方をしています。
ナウシカは、腐海も自分たちも1000年前に人工的に作られたものであり、浄化が完了したら現在の生き物はすべて滅びることを知ります。
そのため、ナウシカは旧人類復活のための「墓所」を破壊することを選択します。
映画は終わりではない!「風の谷のナウシカ」の原作についてのネタバレと感想
相違点の項目でも触れたように、映画は「風の谷のナウシカ」の序章部分の話であり、ナウシカの物語はその後も続いていくことになります。
特にラストは映画のイメージと原作のイメージが異なるため、両方を知るファンの間でも感想は様々で、賛否は分かれるところだと思います。
宮崎監督自身も映画のラストシーンについては後悔めいた話をしています。
原作では最終的にナウシカは、1000年前の旧人類たちにより自分たちが人工的に作られたものである事を知る事になります。
そして、大地の浄化が完了したら今の大地に生きる生き物はすべて滅ぶ運命だという事も。
ナウシカはその扱いに納得できず、旧人類が眠る「墓所」を破壊することを選択しました。
原作の最後に描かれたナウシカの決断は、浄化後の世界に生きる人類・生物がいなくなったということでもあります。
その決断に賛否両論はありますが、原作ファンからは「やはり原作漫画を読んで欲しい」という声が多いです。
「名作中の名作」「素晴らしい作品」という感想が多い中、「救いのない結末」「映画が好きなのでイメージが違って残念」などの声もあります。
重いテーマでもあり「読むのに覚悟が必要」という声もありました。
映画版は映画版で完成されていますが、物語としては序章。
原作漫画「風の谷のナウシカ」をまだ見た事のない方は、映画と合わせて一度読んでみてはいかがでしょうか。
「風の谷のナウシカ」原作と漫画とアニメの違いのまとめ
宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」には、原作漫画があり、映画版の内容が原作漫画の中では序章部分である事を知らない方も多いと思います。
原作漫画は全7巻ですが、内容的は重く、サラッと読めるものではないかもしれません。
ラストのナウシカの決断もあり、映画のイメージと違うという感想もあるようです。
原作漫画のナウシカの決断には賛否両論もありますが、映画は原作の2巻途中までしか描かれていません。
映画の続編を見る事は難しそうですし、宮崎駿さんが本当に描きたかったナウシカを知るためには、原作を読むしかないのかもしれませんね。
映画版は映画版として素晴らしい作品ですし、大人になってから見直す映画「風の谷のナウシカ」もまた違う見方ができそうです。
原作漫画も原作と映画の違いや、映画で描き切れなかった設定などを探しながら読んでみてくださいね。
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